秋も深まり、街の木々が色づき始めました。宿泊業界では紅葉シーズンの繁忙期を迎え、多くのゲストとの出会いが生まれる季節です。同時に、1年の振り返りや次年度に向けた準備を進める時期でもあります。
▶ 最新「ChatGPT」利用状況
生成AIの活用が広がる背景には、ChatGPTの世界的な利用拡大があります。OpenAIの調査によると、2025年7月時点で週7億人がChatGPTを利用しており、成人人口の約10%に相当します。特に「質問・検索代替（Asking）」としての活用が51.6%を占め、旅行や日常生活でも利用が急増しています。また、非ビジネス利用は2024年からの1年で53%から73%へ拡大し、「旅行計画」「日常の相談」「趣味・娯楽」など、生活者視点のAI利用が主流化しつつあります。こうしたAIの普及を受け、宿泊業界でもデジタルマーケティングの在り方が大きく変化しています。ChatGPTをはじめとする生成AIは、情報収集や検索の“入口”として定着し、公式サイトや口コミ、SNS投稿といったホテル発信の情報精度が、今後ますます重要になります
前回までに、宿泊施設のマーケティングや販促施策に役立つプロンプトをご紹介してきましたが、今月は少しテイストを変えて、“ホテルで働くスタッフのモチベーション向上” をテーマにお届けします。今回は、生成AIを活用して構想できる スタッフ表彰制度のアイデアプロンプト をご紹介します。ホテル全体のチームワークを高め、働く喜びを共有する仕組みづくりに、AIがどのように貢献できるのかを一緒に見ていきましょう。
◆ 今月のプロンプト
#あなたはホテルのモチベーション向上委員会です。
#企画提案：【年1回のスタッフ表彰制度の構想】
#ターゲット：【全スタッフ】
#期間：年1回開催
#内容： 1年間の功労を称える社内表彰制度について、実施の目的、表彰基準、受賞特典を含めた構想案を3つ提案してください。
例：
①「お客様満足度貢献賞」…口コミやアンケート高評価スタッフ
②「チーム貢献賞」…裏方ながら全体を支えたスタッフ
③「新人チャレンジ賞」…成長が著しかった新入社員 など
特典には金一封、特別休暇、館内飲食券などを検討し、スタッフのモチベーションを高める設計としてください。
#対象ホテルのURL：https://www.examplehotel.com
◆ AI出力例（サンプル）
以下は、生成AIが提案したサンプル構想です。
すべてをそのまま実施する必要はなく、特典や表彰基準など、一部の要素を参考として取り入れるだけでも十分に効果的です。各施設の規模や運営方針に合わせて、柔軟にアレンジしてご活用ください。
◆ 活用のポイント
- AIを活用して、評価基準や特典設計のバランスを多角的に検討できる。
- 「目的 → 基準 → 特典」の流れを明確に設計することで、スタッフの納得感とモチベーションが高まる。
- 各部門からの推薦コメントをAIで要約・整理することで、公平性のある選考運営が可能。
- 年1回の開催を「ホテル文化」として根付かせることで、組織全体の意識向上を促す。
◆ 6W3Hを活用した構想整理例
・What（何を）：スタッフ表彰制度の企画立案と実施。
・Why（なぜ）：スタッフの努力を正当に評価し、モチベーション向上につなげるため。
・Who（誰が）：ホテル運営部門＋モチベーション向上委員会。
・Whom（誰と）：各部署リーダー、人事担当者、総支配人。
・Where（どこで）：館内宴会場またはオンライン表彰式。
・When（いつ）：年1回（12月開催を想定）。
・How（どうやって）：候補者推薦→AI要約→委員会審査→表彰式開催。
・How much（いくらで）：特典・運営費を含め年間予算30万円程度。
・How many（どれだけ）：各部門1〜2名ずつ、全体で10名以内を表彰。
◆ まとめ
生成AIは、宿泊施設のマーケティングだけでなく、チームづくりや企業文化の醸成にも活用できるようになってきました。スタッフ一人ひとりの努力を見える形にし、感謝を伝える仕組みをAIの力で整えることで、ホテル全体のモチベーションアップやエンゲージメント向上にもつながります。
11月からは、いよいよ年末年始に向けた集客プロモーションが本格化。AIをうまく取り入れながら、“人と組織の成長を両立させるホテル運営” を目指していきましょう。
