イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した法則:パレートの法則。別名80:20の法則。これは組織全体の2割の要素が大部分の利益をもたらしている理論で、様々な事例に当てはめられることが多い。
これは、ソーシャルメディアの運用にも当てはめることができ、パフォーマンスの良いTOP20%の投稿が収益を生み出すと言われています。これは20%の投稿がクリックやシェア、コメントなどエンゲージメントの8割を生み出しているということです。
この法則を踏まえ、どのような内容の投稿にすべきかというと、自社商品・サービスの宣伝、プロモーション、告知は20%に抑え、残りの80%はターゲットユーザーに役に立つ情報で、楽しんでもらえる投稿にすること。FacebookやInstagramなどのソーシャルメディアのプラットフォームは、投稿がユーザーのフィードに流れ、一時的なものと考えられています。しかし、ユーザーは興味をもった投稿を見つけた時、公式アカウントにおとずれ、過去の投稿を見ることができます。そこで自社製品の紹介告知、宣伝の要素ばかりのアカウントであればユーザーはそのアカウントから去る可能性が高くなります。
まずは、自社のエンゲージメント率の高い投稿(アクション数:いいね!、コメント、シェア、リンククリックなど/投稿のリーチ数)があれば、
①その投稿スタイル、コンテンツをまねた投稿をする。
②FacebookであればTOPに固定をして、アカウントに訪れたユーザーに常に見えるようにしておく。
③投稿テーマが同じであれば同じ画像を使用し、異なるキャプションで再投稿する。
パレートの法則を当てはめた、ホテルの投稿例
80%:ユーザーに有益な情報、楽しませる投稿
・ホテル周辺の観光情報(レストラン、ビーチ、アトラクション、地元の注目スポットなど)
・最新のイベント情報(ホテル周辺のお祭り、イベント、人気のコンサート会場、地元特有のアクティビティなど)
・旅のお役立ち情報(旅行に必要なもの、街歩きに便利なグッズ、空港やハブになる交通機関への近道など)
・リポスト(シェア)(近隣のイベント情報、旅行者に役立つ情報記事など、他アカウントの記事をシェア)
20%:自社製品・サービスの告知宣伝
・ホテルの施設、アメニティ、特典情報(朝食つきプラン、wifi無料プラン、プールや館内施設、VODなど客室内設備についてなど)
・特別オファー(割引情報、ペットフレンドリー施設、館内レストラン、ショップのオファーなど)
・客室情報(客室の写真、説明)
(参照元:E-Marketing Associates ”Using the 80/20 Rule for Social Media” )
ソーシャルメディアの使い方として、一方的に情報配信ツールと認識されがちですが、ユーザーはソーシャルメディアを活用し、情報を検索し有益なコンテンツを探したり、自ら情報をシェア、投稿したりと能動的にかかわるツールとなっています。旅行を検討しているユーザー、宿泊施設を探しているユーザーがどのような情報を求めていて、かつどのような情報をそのユーザーの家族、友達、または一緒に旅行する仲間に共有したいか。投稿内容を今一度見直してみましょう。