日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2016年7月の訪日外客数が前年同月比19.7%増の229万7千人とのことでした。単月としても過去最高を記録しました。2020年東京オリンピックに向けて、今後も訪日外国人増加していくことが予想されます。ホテル・旅館施設は、公式ウェブサイトを多言語で用意し、ソーシャルメディアも多言語(最低でも日・英バイリンガル)で運用することがまずは基本ですが、では外国語サイトを用意する際に、掲載する内容は日本語サイトと同じ内容の英語訳で十分でしょうか。
楽天リサーチが、台湾、香港、シンガポールの訪日旅行者300名を対象に実施した調査によると、日本でおこなったことのトップは共通して「ショッピング」がいずれの国・地域でも8割以上を占めた。一方、台湾と香港では2位が「麺類(ラーメン、うどん)を食べる」(台湾71%、香港74%)、3位が「温泉入浴」(台湾69%、香港70%)。シンガポールの2位は「ホテルに宿泊」(72%)、次いで「繁華街の街歩き」(71%)の順となりました。そして、「次回日本でやりたいこと」の傾向も、ショッピング以外では「温泉入浴」がトップ。また、「日本の日常生活体験」が、台湾と香港で5位に、シンガポールでは6位にランクイン。
それ以外には、「日本文化体験」「新幹線/地下鉄/電車体験」などが上位となる結果を発表しました。調査と併せて実施したインタビューでは、「祭りに参加したい」「フルーツ狩りをしたい」「複雑な電車にのってラーメンを食べにいきたい」という声がありました。
このような結果から、楽天リサーチは、訪日外国人は「爆買い」傾向から、「日本人の日常生活追体験」を楽しみに日本に来訪してくるように変化しているとしています。
しかし、一方で、「居酒屋に行きたいけど日本語ができない(シンガポール)」「英語が通じない(シンガポール)」「日本語だけのウェブサイトが多い(台湾)」といった、言葉の壁に起因する問題を挙げる声が複数聞かれたとのこと。
また、温泉については「裸でお湯につかる行為に対する賛否が分かれ、この体験はチャレンジの部類に入る(シンガポール)」という意見もありました。
(参考:楽天リサーチ 調査対象:2016年2月15日から22日まで実施したインターネット調査と、2016年2月23日から3月11日に実施したインタビューから分析したもの。インターネット調査の対象は台湾、香港、シンガポールのモニターのうち、10代から60代の計300人。)
このリサーチ結果から、「日本人の日常生活の追体験」を楽しんでもらえるようにサポートできる情報を多言語(英語)で準備、自社メディアで掲載、紹介していきましょう。
◆周辺観光、アクセスページ:観光地の情報には、ホテル・旅館施設からのアクセス方法、所要時間、最寄り駅の情報、電車の乗り方、切符の買い方、などを掲載しましょう。
複雑な路線の乗り換えや切符の買い方などは、駅に行けばわかる情報も、外国人が自国でインターネットで観光情報を調べているときに、滞在施設のウェブサイトに掲載されていると、外国人受け入れサポートがしっかりしている施設として、強みになります。
◆温泉体験:温泉は日本独特の生活文化体験になります。
温泉施設の説明、泉質の情報などはよく掲載されていますが、そもそも、「温泉の入り方」(施設内でのマナー、タオルの持ち込み、など)を紹介している温泉旅館サイトはなかなか存在していません。私たち日本人が当たり前とおもって利用している温泉も外国人にとっては異文化体験チャレンジなのです。
「温泉利用のマナー、基本情報」をぜひ掲載しましょう。
参考:トリップアドバイザー How to Enjoy ONSEN (温泉の正しい入り方)
http://tg.tripadvisor.jp/enjoy-onsen/
◆ソーシャルメディアで期間限定のイベント紹介:周辺のお祭り情報や、施設近隣で行われているイベント、季節情報をソーシャルメディア(Facebook, Instagram, Twitterなど)で紹介しましょう。
「期間限定」「日本独自の文化」「魅力的な画像・動画」は必須事項になります。
花火大会、地域のお祭り(神社仏閣、風習)、自然(紅葉)の情報は積極的に、事後報告でも構いませんので、最新の情報を発信しましょう。
そして投稿には必ずキーワードをハッシュタグで掲載しましょう。
(#花火大会 #fireworks #紅葉 #Autumn #お祭り #festival など)