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2020/07/03

海外事例から学ぶ:コロナ禍におけるスウェーデンの生き残り対策


世界規模で観光産業のみならず世界経済に大きな打撃を与えた新型コロナウィルス。

「人の移動、接触を規制することで感染リスク拡大を抑える」という対策は、ホスピタリティ産業に直接影響しています。

感染者数の推移、政府の対応が日々変化しながらも、感染リスクを抑えた形で新しい観光・旅行スタイルが謳われはじめています。

出入国規制があるため、インバウンド・アウトバウンドの旅行需要の喚起は難しく、今、目が向けられているのは国内旅行・近距離旅行となっています。

このような状況で、日本国内の市場・消費動向にのみ注目しがちですが、

日本以外の国や地域も同じような規制の中、観光従事者はそれぞれ生き残り対策を行っています。

海外の事例から学び、日本市場でも活用できる対策や施策を柔軟にとりいれてみてはいかがでしょうか。

また、インバウンド・アウトバンド旅行が回復した際に、海外の市場動向を知っておくことも、大きな強みになります。

 

今回は、コロナ禍でもホテル集客を急速に回復させたスウェーデンの事例をご紹介します。

ヨーロッパ諸国と比べて、スウェーデンは、レストランやホテルを休業することなく営業し続けたという実績がありました。

スウェーデンの生き残り対策を学び、コロナ禍の集客へ活用しましょう。

まずは、その背景から確認すると、2020年第一四半期の1週目と最終週の人の動きの変化です。

 

スウェーデンは、ロックダウンや、外出自粛の規制がヨーロッパ他国に比べて緩やかであったため

人の動きの変化は他国に比べて大きくない(減少が少ない)背景がありました。

これは、日本の状況とよく似ています。政府の規制が緩やかでありながらも、勤勉な国民性により、国民一人一人が行動自粛を行い、

手洗い、うがい、除菌などのマナーを遵守していたとも言えます。

 

これからご紹介するスウェーデンの生き残り対策が有効であったと言えるデータを先にご紹介します。

ホテルの宿泊予約動向のコロナ前、後の推移です。スウェーデンと、スペインの比較になります。

スペインはサイトへの訪問数、予約件数、CV率が3月に急激に減少し、その後回復がなかなか見えません。

スウェーデンは、スペイン程急激な減少はなく、4月に入ると、サイトへの訪問数、予約件数、CV率は回復の兆しが見えています。

 

では、スウェーデンの生き残り対策を6つ紹介します。

①安心感を与えるメッセージをホテルウェブサイトサイト訪問者へ、ポップアップで表示し、

ユーザーとのコミュニケーションを積極的に図り、予約に関しては(キャンセルや延期など)フレキシブルに

対応することを1番に伝える。

参考ホテル:https://ligula.se/en/pressreleases/information-om-gallande-sakerhetsrutiner-rorande-coronaviruset/

 

②近距離の滞在(Staycation)をプロモーションする。

近距離、近隣のユーザーへ、当日(今日)の宿泊・滞在の販売に注力します。

不安な情勢のなか、職場や自宅での日常生活以外で、気分をリフレッシュする、現実逃避できる空間をホテルが提供できることをアピールします。

参考ホテル:https://hotelatsix.com/

③延泊、長期滞在をアップセルする。

海外旅行ができないため、国内・近距離の旅行を検討する旅行者が増えると予想し、1回の予約で、より長く滞在してもらえるような

延泊(〇泊以上で特典:朝食、アップグレード)のオファーに注力します。

参考ホテル:https://www.hotelkungstradgarden.se/

④ギフト券(宿泊券、レストラン利用券など)を販売し、直近の売り上げを確保する。

旅行に行きたいと、検討していても、現状では予約確定まで至らない、将来の旅行者へ向けてギフト券を販売する。

政府の規制が解除された後に利用できるよう、対象期間はフレキシブルに対応できるようにしたり、

金額は事前決済プランと同様の考え方で、割引価格も検討する。

⑤ターゲティングオファーを活用する。

AIや機械学習機能を活用し、予約確度の高いユーザーがホテルウェブサイトを訪問した際に

割引率の高いプランや、アップセルのオファーが目立つように表示できるような仕組みをつくる。

⑥ファン・フォロワーを増やす、つながりを強化する。

予約には至らないものの、サイト訪問者へは、ホテルのメルマガ会員の登録を促し、状況が良化してから

ホテルを利用してもらえるような、メルマガ限定のプランや、ホテル情報を定期的に発信し、

ファンとのコミュニケーションを継続的に行えるような土台を作る。

参考ホテル:https://hotelcstockholm.com/

 

以上6つの対策となります。

ここ最近では日本国内でも見られる施策がありますが、スウェーデンはこれらの対策を3月から実施していたということが、

集客の減少の歯止めにつながり、回復も早かったと言えます。

 

参考記事:https://insights.ehotelier.com/insights/2020/05/19/6-tactics-we-can-learn-from-hotels-in-sweden-that-remain-open-during-covid-19/

 



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