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2017/07/23

モバイルアプリ・自社サイト経由の予約をした宿泊客の満足度が高い:J.D.パワー「2017年北米ホテル宿泊客満足度調査」


J.D.パワーが実施した「2017年北米ホテル宿泊客満足度調査」で、顧客の満足度でホテルの直接予約やモバイルアプリが重要な要素となっていること結果が明らかになった。調査は2016年5月~2017年5月まで、北米のホテルに滞在した米国とカナダの宿泊客を対象に実施し、6万3000人以上の回答をもとにまとめたもの。

主な調査結果

  • ダイレクト・ブッキング:ホテルに直接予約せずに、インターネットの予約サイトやモバイルアプリ(Expedia、Travelocityなど)を通じて予約すると、宿泊客は不快な思いやトラブルを経験することが多く、宿泊満足度が低下する傾向にある。
  •  会員:ホテルの会員は、会員ではない宿泊客に比べて、ホテルに直接または会員専用サイトから予約をする傾向が非常に強く(それぞれ75%および47%)、満足度も高い。OTA経由の予約ではホテルの特典利用制限や厳しいキャンセルポリシーなどさまざまなデメリットがあるにもかかわらず、OTAを通じて予約を入れる宿泊客数は2013年の16%から2017年には19%に増加している。
  • モバイルマニア:2014年は、オンラインによる予約の14%がモバイル(スマートフォンまたはタブレット)を利用して行われたものだったが、現在、この割合は25%に増加している。このようなモバイル経由での予約は、若い世代やビジネス客に多い。
  • 宿泊時のモバイル利用率:モバイル機器にホテルのアプリをダウンロードしている宿泊客では、38%がホテルの滞在中はアプリを使用しないと答えている。チェックインおよびチェックアウトをモバイルアプリから行っている割合はごくわずかであるが(それぞれ4%と1%)、利用している宿泊客では満足度が高い。
  • アプリの利用推奨:ホテルのモバイルアプリをダウンロードして利用している宿泊客は満足度が高く、ホテルブランドに対するロイヤルティも高い。宿泊客全体でホテルのアプリをダウンロードしているのはわずか19%だが、会員では70%がダウンロードしている。
  • ソーシャル・メディア利用における驚くこと:消費者は不満のみをソーシャル・メディアに投稿しているという見方があるにもかかわらず、このようなチャネルを通じて自分の体験を投稿する宿泊客は全般的に満足度が高い傾向がある。それと同時に、問題を経験している宿泊客はソーシャル・メディアに投稿する割合が86%と高い。
  • 情報収集は基本:宿泊客の半数強(52%)が、過去1カ月以内にホテルのレビュー、業界ニュース、またはオンライン・フォーラムを読んだことがあると回答しており、そのうち46%が過去半年の間にレビューを書き込んだことがあると回答している。レビューの読者も書き手も高い満足度を示す傾向にある。

 

調査結果によると、ホテル宿泊予約のうち、オンライン予約の25%がモバイル経由で、その割合は2014年の14%から上昇。また、ホテル会員の場合、ホテルへの直接予約が75%、会員専用サイトからの予約が47%と多く、満足度も高い。特にホテルのモバイルアプリを利用する宿泊客の満足度は高く、ホテルブランドに対するロイヤルティも高いことが分かった。

宿泊客のうち、ホテルのアプリをダウンロードしている人は約2割だが、ホテル会員に限ると7割と多勢。宿泊時にモバイルアプリを使用した人は、ホテルで得た良い経験をSNSでシェアする傾向が強いという。

これに対し、直接予約ではなく、OTAなど他の予約サイトやそのアプリからの予約の場合、宿泊客はトラブルや不快な思いを経験することが多く、満足度が低下する傾向が強いという。ただし、OTA経由の宿泊客数は2013年の16%から2017年は19%に上昇している。

また、SNSの利用傾向として、SNSで体験をシェアする宿泊客は全般的に満足度が高いが、トラブルを経験した宿泊客が投稿する割合も86%と高い。宿泊客の52%が過去1か月以内にホテルのレビューなどを読んだと回答しており、そのうちの46%は過去半年の間にレビューを書いた経験があると回答した。

こうした結果を踏まえ、J.D.パワーのトラベル/ホスピタリティ分野の担当者は、宿泊客のモバイル利用が浸透するのに従い、ホテルは直接予約の促進と、直接予約の環境整備の2つの課題があると指摘。そのためにも、確固たるモバイル戦略の構築が重要だと提案している。

なお、北米のホテルを対象にした宿泊客満足度調査では、8つのセグメントに分けて総合満足度スコアを算出。このうち、「ラグジュアリー」セグメントは、JWマリオットとザ・リッツ・カールトンが同率で1位。ザ・リッツ・カールトンは3年連続で1位となった。各セグメントのトップは以下の通り。

【J.D.パワー 2017年北米ホテル宿泊客満足度調査 セグメント別1位】

  •  ラグジュアリー:JW マリオットとザ・リッツ・カールトン ※1(同率)
  • アッパー・アップスケール:ハイアット
  • アップスケール:ヒルトン・ガーデン・イン(2年連続)
  • アッパー・ミッドスケール:ドゥルーリー ホテル(12年連続 ※2 )
  • ミッドスケール:ウィンゲート・バイ・ウィンダム(3年連続)
  • エコノミー:アメリカズ ベスト バリュー イン
  • アッパー・エクステンデッド・ステイ:ステイブリッジ スイーツ
  • エクステンデッド・ステイ:キャンドルウッド スイーツ

 

参考資料:J.D. パワー報道用資料:2017年北米ホテル宿泊客満足度調査
http://www.jdpower.com/resource/jd-power-north-america-hotel-guest-satisfaction-index-study



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